【MY PINK ACTIONコラム】 乳がん「家族歴」と発症リスクの関係 | ピンクリボンフェスティバル公式サイト

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【MY PINK ACTIONコラム】
乳がん「家族歴」と発症リスクの関係

聖路加国際病院 乳腺外科部長・ブレストセンター長 山内 英子先生にお話をうかがいました。

Q. 母、祖母が乳がん経験者です。「家族歴」があると発症リスクは高まるのでしょうか?

A. 乳がん患者さんのうち、10~15%に家族歴があるといわれています。まずは、乳がん検診を受けてみてください。

乳がん検診に使用されているマンモグラフィ検査には、被ばくや心理的負担などが伴います。そのため、基本的には罹患率の低い40歳以下の方にはおすすめしていません。但し、家族歴がある方については早めの検診を呼び掛けています。

遺伝性乳がんの発症リスクを知る手段としては、遺伝子検査が挙げられます。

最近の欧米の研究で、BRCA1とBRCA2という2つの遺伝子の病的変異による‟遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)“の存在が明らかになりました。数年前、乳がん予防のために乳房を切除したアンジェリーナ・ジョリーさんも、自身がHBOCであることを告白しています。

遺伝性乳がんの発症リスクを知ることは、よりよい予防と治療の選択につながります。
以下の項目に1つでも当てはまる方は、医療機関での遺伝カウンセリングを検討してみてください。

父母や兄弟姉妹、祖父母など近い血縁内に、
 □45歳以下で乳がんを発症した人がいる
 □年齢を問わず、乳がんや卵巣がん、男性乳がんを発症した人がいる
 □両方の乳房、片側の乳房にがんを2個以上発症した人がいる
 □60歳以下でトリプルネガティブ(ホルモン受容体もHER2も陰性)乳がんと診断された人がいる
 □BRCA1、BRCA2の遺伝子変異が認められた人がいる

遺伝カウンセリングでは、相談者が抱えている不安や疑問に応えながら、今後の方向性について探っていきます。遺伝子検査は不安を解消する手段の1つですが、遺伝子について詳しく知ることはご本人だけでなく、家族にも関わる非常にセンシティブな問題です。中には「知りたくない」と思う家族もいらっしゃるでしょう。カウンセリングでは、このようなデメリットも事前にお伝えしながら、相談者がよりよい選択をするためのサポートをします。

遺伝子検査を受け、HBOCであることが認められた場合には、発症リスクを軽減するための予防的対応について検討します。主な対策は「早期からの定期的な検診」のほか、「ホルモン剤による薬物療法」、「乳房、卵巣・卵管の切除手術」の3つです。いずれも予防的治療のため、保険適用が認められていませんが、発症リスクを大幅に減らすことができます。アンジェリーナ・ジョリーさんのように乳房を全摘した場合、約90%リスクを低下できるといわれています。

2020年4月より、「45歳以下で発症した」「60歳以下でトリプルネガティブ乳がん患者となった」など、特定の乳がん患者さんについては、遺伝子検査が保険適用となりました。条件に当てはまる方、不安のある方は検査を検討してみてください。

≪お答えいただいた専門家≫

山内 英子先生

聖路加国際病院副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長

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